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うるち米を水洗いし、水切り、半乾燥させたものを粉砕し、粒子を荒く仕上げたものです。鹿児島名産の「軽かんまんじゅう」の原料として使われます。
糖類には還元糖と非還元糖があり、還元糖とは還元基(アルデヒド基、ケトン基)を持つ糖をいいます。主な還元糖はブドウ糖、麦芽糖、果糖、乳糖、キシロ-ス、ガラクト-ス等です。
打物菓子や押物と呼ぶ京菓子の大半は、寒梅粉が主原料です。搗いた餅を極薄く延ばして鉄板で焼き、それを挽いて粉末にしたものがみじん粉です。寒梅粉は、みじん粉を更に篩(ふるい)に掛けた上みじん粉を云います。舌触りの良さと香りを求めて新米が用いられますが、新米を粉に挽く時期が、寒中の梅の咲く頃なので、この名が付いたと云われます。
甘味物質の甘さを表すもので、砂糖を100としてそれぞれの甘味物質の甘さを比較した値です。乳糖15~25、ブドウ糖75、果糖175、麦芽糖32など。
砂糖に寒梅粉を混ぜ、捏ね合わせた生地を着色し、型抜きで成形します。四季の干菓子の中心であり、華麗な工芸菓子の主材料として使われます。パリンと軽い薄さにも、ふっくらと弾力のあるしっとり感も、どちらも自在に作り出すことが出来、華やぎを添えるのに欠かせぬお菓子です。関東では雲平と称されるものです。
合わせ木型と呼ばれる、上部の模様の部分と高さを出す部分の合わせ板(げそ)に分かれたものの他に、あわせ型が二つに分かれる割り型、平板に千筋や葉脈その他の模様を彫り込んだ押し型、焼き物用の台木のみのものなど、様々なものがあります。堅さのある桜材が良いとされます。昔はすべて手彫りだったようですが、最近では機械彫りやセラミック製のものなども出回っています。 ←木型 (全国和菓子協会『菓子製造全書』より)
大豆を煎って粉末にしたものです。粗砕きした段階で皮を除き、更に粉砕しますが、皮を除かないものもあります。普通、黄大豆を用い黄褐色を呈しますが、青大豆を用いたものは「青きな粉」「うぐいすきな粉」と言い、淡緑色で香りも多少違います。和菓子の製菓原料に用いるほか、餅につけてあべかわ餅にしたりします。でんぷん・たんぱく質・脂肪を含む栄養豊富な食品です。大豆のたんぱく質は良質ですが消化が悪いため、加工によってその欠点を補いますが、きな粉のように粉にしたものは炊豆・煮豆などに比べてかなり消化がよいと言われています。
黄味餡は、白餡に硬茹卵黄の裏漉しまたは生の卵黄を混ぜ、火にかけて練ったものです。
菓子類の切りくずなどをいいます。物のない時代には、工夫して新しい製品に再生したようです。
求肥は餅の一種で、餅粉や白玉粉に砂糖や水飴を加えて蒸したもの。唐から渡来し、牛のなめし皮のように滑らかなことから「牛皮」と書かれていましたが、その文字を忌み、わが国においては求肥と改められました。元来は中国において祭祀の際に用いた食物「牛脾」があり,それに似せて作られた餅菓子であったと云います。求肥は羽二重餅のようにそのままでも餅菓子になりますが、生地として多くの餅菓子に用いられています。
ようかん風でゼリー状の和生菓子。寒天に砂糖や水あめをまぜ、型に流して冷やし固めたもの、涼味をおびた透明、半透明のお菓子です。各種の補添材料を加えて、特徴ある味覚を持った製品が作られています。
四角に切ったあんを、あらかじめ薄く溶いておいた小麦粉の液につけて、鉄板の上で焼いたもの。きんつばの前身は、京都の「銀つば(米粉を使い、皮が白みがかっている)」といわれています。亭保年間(1716~1736)に江戸に渡り、小麦粉に変るとともに、「金つば」と名付けられたといわれています。「つば」の名は、当時の形が刀のつばに似ているところからきているといわれています。現在の「きんつば」の形は、明治時代になってから出ています。
きんとんは唐果物の「?飩(こんとん)」と呼ぶ菓子が原型であるとされていますが、今日では餡玉を芯にして、餡を裏漉しにしてそぼろ状にしてつけた菓子の総称として使われます。
季節によって意匠や、時には味にも変化をつけます。
←季節によって意匠や、時には味にも変化をつけます。
葛粉は葛の根から得られる澱粉で、各種澱粉の中でも良質とされ、上等な菓子の原料として用いられます。葛饅頭、葛ちまき、葛桜などが知られています。室町時代に南朝の官臣が、吉野のクズの根から最初に作ったとされる「吉野葛」が名高い。
梅雨の頃白く香りの強い花を咲かせるアカネ科の花。一重の花につく果実を水やアルコールで抽出したり、加水分解して得られるものが、クロシンやケルセチンというカロチノイド系の物質を主成分とするクチナシ黄色素です。昔から家庭できんとんの着色に使われてきました。また、果実の抽出液に酵素を作用させて得られる色素が、クチナシ青色素やクチナシ赤色素です。
セイロン産のシナモンの木の樹皮を粉末にしたものです。菓子に特徴付けのため古来より欧州で使われてきた香辛料。ドーナッツ、ホットケーキ、京都の八ツ橋が有名です。
中国のお菓子の一種。中国では、陰暦8月15日は中秋節でこの日は種々の果物、野菜に、それに月餅を供え、一家の円満を祈る風習が古くから行われています。 小麦粉に卵や油を入れた作った皮で、小豆あんやクルミなどのナッツ類やゴマなどを混ぜたあんを包み、型にいれて押し、表面が艶の良い鮮明な模様を持った製品に仕上げられます。
身分の高い人に物を差し上げることを「献上」というのは周知のことですが、昔、白砂糖が貴重品で貴人用であったところから、白砂糖を用いた菓子または上菓子のことを『献上菓子』といいます。
「山水花鳥風月」などの自然風物を写実的に立体的に、かつ芸術性豊かに表現するものとして発展した飾り菓子です。素材はもちろんすべて食べられるものからできています。古くから鑑賞用として京都で作られてきましたが、その始まりは、江戸時代の元禄享保の頃(1688~1736)大奥で鑑賞された”献上菓子”にその端を発しています。明治の初め頃白砂糖が輸入されてから打ち菓子や有平糖に色や形をほどこすようになり、以後たゆまぬ工夫や努力を重ねて、生砂糖(雲平生地)細工菓子の製法が考案されました。お菓子を作る全ての技術とあわせて絵の素養も必要になってきます。
米・麦・大豆などを蒸してねかし、これに麹かびを加えて繁殖させたものを『麹』または『糀』といい、酒・味噌・醤油などの醸造にはなくてはならないものです。この麹はまた食欲を増進させたり、食生活を豊かにするといった目的で、天然の着色料としても用いられてきました。ベニコウジ菌の培養物を乾燥・粉砕した後、アルコールや有機溶媒で抽出すると、赤色の色素が得られます。主成分は、モナスコルブリンやアンカワラビンなどで、抽出に酸性アルコールを用いると黄色の色素が得られます。