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【か行】氷餅(こおりもち)
氷餅(干餅)は餅を一度凍結してから乾燥させたもので、フレーク状にしたものは飾りに使うほか、純白で氷のような質感があるので、冬の和菓子に多用されます。
(上部にふりかけた白いものが氷餅)
【か行】漉し餡(こしあん)
漉し餡は、小豆を茹でて潰し、皮を除いたものを漉してから、水気を絞り砂糖を加えて練り上げて作ります。
【か行】こなし
"こなし"とは、漉し餡と小麦粉、又は薯蕷(じょうよ)粉を加えて強い蒸気で蒸し、砂糖を加えながら揉み込んだものです。その生地を薄蜜などで硬さを調整しながら着色し、包みものや巻上げ、型抜き、棹ものなど、様々な上菓子に作り上げます。応用範囲も広い、京菓子独自の素材です。"熟す(こなす)"と云う言葉には「砕いて軟らかくする」の他に「思うままに扱う」という意味があり、このこなし菓子も「上手くこなせて一人前」と云われるように思うままに形作るには、熟練を要するお菓子です。
【か行】琥珀羹(こはくかん)
琥珀羹とは寒天に砂糖、飴を加えて煮詰めてとろみを出し、流し箱に入れて冷やし固めたものです。吉野葛や卵白、道明寺粉などを加えて変化を付けたものも多く見られます。喉越しよく涼やかで、夏菓子として欠かせません。
【か行】コーンスターチ
とうもろこしの種子からとったでんぷんをコーンスターチといい、もちとうもろこしのそれは、ワキシースターチといいます。種子を亜硫酸水に浸し、粉砕して胚芽を分離したものを粉砕し、沈殿させたでんぷんを脱水・乾燥して製品にします。でんぷん類の中でも純度が高く、純白で無臭であり、粒子も細かい粉です。従って食品工業用原料として幅広く使われています。家庭用では、片栗粉などと同じ用途で使われる事が多いようです。
【さ行】細工箆(さいくべら)
決まった形のものがあるわけではありません。普通は包餡用の竹べらなどを削って自作することが多いようです。煉切などの筋目やへら目をつけるのに用います。
【さ行】棹物(さおもの)
棹ものとは、羊羹や琥珀羹、外郎などの、細長く棒状に作った菓子の総称で、流し物とも云います。小口から適当な大きさに切って使います。
【さ行】索餅(さくべい)
むぎなわ
【さ行】ささら
竹筒の一部を残して細かく割ったもので、煉切などの仕上げに筋目をつけるのに用います。
←ささら (全国和菓子協会『菓子製造全書』より)
【さ行】三温糖(さんおんとう)
特有の風味を持つ黄褐色の砂糖です。中白糖より精製度が低く、色は褐色。中白糖よりさらに転化糖と灰分を多く含みます。その風味を生かしたい饅頭生地などに使われます。結晶棟を三回通るので、三温糖と呼ばれます。
【さ行】しゃる
砂糖の結晶が生じることで、羊羹や餡類の表面が糖化してしまうことを指します 。羊羹を練りすぎたり、餡類に砂糖を入れすぎた時などにこうなる場合があります。
【さ行】重曹(じゅうそう)
炭酸ソーダーの略。炭酸水素ナトリウムの別称。→炭酸水素ナトリウム
【さ行】上新粉(じょうしんこ)
うるち米を精白し、水に漬けて粉砕し、乾燥して作ります。もち米が入らないので、粘りやまろやかさよりも歯ごたえの強さを活かしたおだんごに向きます。家庭では、みたらしだんごや柏餅に最適であるが業務用としては各種和菓子原材料として需要があり、米穀粉の中では最も多く生産されています。
【さ行】上生(じょうなま)
上生菓子ともいい、上等な生菓子のことです。煉切(ねりきり)や羊羹、薯蕷饅頭、求肥などを指し、日持ちしませんので、大抵は作りたてを食べることを基本とします。季節感あふれるお菓子が多く、茶の湯では主菓子としてつかわれます。
【さ行】上南粉(じょうなんこ)
上南粉は極みじん粉、また金澤で作られたことによって、「加賀みじん」とも呼ばれます。よく洗米したもち米を蒸し上げ、乾燥させたのち、粉に砕いて少しずつ煎り上げたものです。打物にはよく使われます。
【さ行】薯蕷(じょうよ)
薯蕷とは、つくね芋や大和芋の名で呼ばれる、粘りの強い山芋のことで、すりおろして饅頭皮や餡のつなぎに用いられます。スーパーなどでよく目にする長芋などと比べて、肉質が緻密で粘りが格段に強く、変色しにくいのが特徴です。生産物の大半は高級和菓子の原料や高級料亭の料理の材料として高値で取り引きされ、なかなか一般には手に入れる事ができません。
【さ行】上用粉(じょうようこ)
粳米を乾燥させて粉にしたものを上新粉と呼び、しんこや団子、餅菓子に用いますが、これをより細かくしたのが上用粉です。
【さ行】薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)
上用粉に砂糖を加え、つなぎに山芋をすりおろしたものを混ぜ、餡玉を包んで蒸しあげた饅頭のことです。真っ白に蒸しあがるため、そのままでも着色をしてもきれいな色に仕上がります。 薯蕷饅頭を、当て字を使って上用饅頭と書くこともあります。
【さ行】白玉粉(しらたまこ)
寒ざらし粉とも呼ばれ、もち白米を原料とします。昔は冬の寒さがきびしいころに、清潔な流水の得られるところで製造していましたが、現在は一年中製造されています。もち米を精白し、水に漬けて柔らかくし、水ごとすりつぶします。その白い液を圧縮脱水し、大きなかたまりにします。それを細かくけずり乾燥してつくらます。良質なものは、乾燥が完全で、白色で光沢があり、粉質が微細で、粉というより澱粉に近いものです。ゆであげてフワッとした柔らかさと弾力があり、冷やしても固くならない品が、良品とされています。おもちとは別なまろやかな風味があり、白玉だんごやぎゅうひとして高級菓子材料になります。
【さ行】白餡(しろあん)
白餡とは、軟らかく煮た白小豆や白隠元で練り上げた餡で、そのまま、又は着色して黄味餡や味噌餡のベースとしたり、きんとんなどに多用します。