"こなし"とは、漉し餡と小麦粉、又は薯蕷(じょうよ)粉を加えて強い蒸気で蒸し、砂糖を加えながら揉み込んだものです。その生地を薄蜜などで硬さを調整しながら着色し、包みものや巻上げ、型抜き、棹ものなど、様々な上菓子に作り上げます。応用範囲も広い、京菓子独自の素材です。"熟す(こなす)"と云う言葉には「砕いて軟らかくする」の他に「思うままに扱う」という意味があり、このこなし菓子も「上手くこなせて一人前」と云われるように思うままに形作るには、熟練を要するお菓子です。